
匿名
イナダさんはオリーブの丘についてどう思われますか?オリーブの丘がサイゼリヤを相当研究した上で最適解で潰しにかかっているのは明らかですが、ここにきてサイゼリヤも最適解路線にシフトしているわけで、これは負け戦なのではと心配です。
オリーブの丘は行ったことないので、あくまでメニューからの印象(プラス、母体とも言えるジョリーパスタの商品群からの印象)なのですが、両者はそもそもルーツとなる文化が違うのではないかという印象を持ちました。 サイゼリヤが「イタメシブーム以前の日本のイタリアン」が根っこにあるとしたら、オリーブの丘は「イタメシブーム以降のローカライズイタリアン」ですね。 前者の文化の基本構造は「イタリア料理と洋食(ないしはアメリカ料理)のミクスチャー」で、これはサイゼリヤを除けば、都会の片隅にちらほら残っているだけです。後者はイタリア料理の基本構造はそのままにバランスが調整されたもので、こちらは日本全国津々浦々にあります。オリーブの丘は、ファミレスとしての役割を全うするために、そこに改めて洋食コンテンツを一部戻し入れるという、ちょっと複雑で特殊な構造になっていますが。 いずれにせよ、後者の方が全国で支持されている最適解に近いというのは確かに言えるのかもされません。しかしそれが日式イタリアンというジャンルの中での最適解だとしたら、サイゼリヤはもはや「サイゼリヤというジャンル」の中での最適解を目指しているように見えます。 つまりオリーブの丘は「イタリアンを食べよう」という目的意識が前提にあると強いアドバンテージを持ちますが、サイゼリヤはもはや「サイゼリヤというジャンル」を目指して人々が集まっているのではないかと思うのです。サイゼリヤが、「本場志向」を薄める中で業績を伸ばしたのは、そのことを証明しているようにも見えます。 イタリアンというコンテンツそのものに特別感を感じる人々にはオリーブの丘が魅力的に感じられますが、それはどちらかと言うと(それこそ「イタメシブーム」を間接的にでも知っているような)旧世代な気もします。イタリアンがすでにインフラとなっている人々にとってそれは案外どうでもいいことで、そこではサイゼリアの圧倒的知名度・ブランド力が効いてくる。そして若い世代になるほどインフラ的に捉えている人の割合が多いのではないでしょうか。