
匿名
調理人になりたかった女性ですが、自分のメンタルの弱さに屈してしまいました。イナダさんは元々メンタル強いですか? よかったら新人の頃のお話ききたいです。
メンタル弱いです。その代わり楽天的だったかもしれません。そのあたりを、生存者バイアス全開でお話しします。 楽天的と言っても、ポジティブシンキングとかそういう良いやつじゃなくて、つらくなったら逃げ出して違うとこ行けばいいだけだし、そのうち誰かが助けてくれるでしょう、みたいな、極めていい加減かつ他力本願な楽天です。 昔からミュージシャン崩れとか芸術家崩れとか劇団員とか、そういったダメだけど楽しそうな人々を見過ぎていたせいか、ダメに対する抵抗がありませんでした。最悪ヒモか実家に寄生、とまで考える程度にはダメでした。 でも不思議なもんで、そうやって逃げ場をたくさん作っていたからこそ頑張れた、みたいなところはあります。逃げ出したくなったら、逃げた場合のデメリットと居続けた場合のメリットを天秤にかけて、極めて打算的に判断した結果、どうもこりゃ逃げない方がメリットあるぞ、逃げたきゃいつでも逃げられるしな、と結局逃げずにすみました。メンタル弱い人は背水の陣をしいたらダメなんだと思います。 『料理人という仕事』にも書いたんですけど、俳優の本木雅弘さんが新米料理人に 「諦めることも常に視野に入れつつ頑張ってください」 とアドバイスしてて、この人は完全に信用できる人だ! と思ったことがありました。飲食業界に入る全ての新人に、この言葉を送りたいです。