
匿名
¥100
ファミリー層向け飲食店について考えています。すでにそこのみをターゲットにして成立するほどの母数はないように思いますが、それ以外の層との相性はよくないように感じます。しかし小さな子供がいる家族の外食ニーズを無視するのは生きづらい社会になりそうで。イナダさんのご意見や自分だったらこんな店を作るを教えて欲しいです。
むしろ逆なのでは、と思いました。ファミリー層向け飲食店としてまず思い浮かぶのはそれこそ「ファミレス」ですが、これ以上に幅広い層と相性の良い業態は他に無いと思います。 ターゲットから外れるのは、以下の3つくらいではないでしょうか。 ① 料理そのものだけでなく、むしろ環境やブランドイメージを重視する層 ② もっと高価格でもいいので高品質なものを求める層 ③ 最適解に寄りすぎているのをつまらなく思う層 この中で①はともかく②は少数派で、③は更にマイノリティ。しかし②や③の人はむしろ「上手な活用法」を知っていたりもするし、①の人だってTPOによって使い分けます。1回目のデートでファミレスはナシだけど3回目以降なら、みたいな。 ただしファミレス側にも、(なんとも欲張りなことに!)この辺りがターゲットから外れるのをなんとかしたい、という問題意識はあるようで、昔から度々「高級ファミレス」の業態は実験的に立ち上がっています。しかしうまくいった試しはありません。僕は上の例でいう②+③に当たりますので、この高級ファミレス路線は大歓迎なのですが、肝心の①の心はなかなか掴めないようです。それどころか高級ファミレスは、メインターゲットにそっぽをむかれがちなので、まさに何をやってるのかわからない業態になってしまうんですね。 あくまで僕自身が店をやる側としては、ターゲットがだだっ広くて、それこそファミリーもデートもおひとり様も団体さんも、一つの店の中でそれぞれがそれぞれのスタイルで共存しつつ、店の個性がそこに統一感を演出しているという状態こそが理想です。一般論としてはターゲットは絞るべきと言われていますし、そういう間口の広さと高い専門性を両立させるのは難しいので、ビジネスとしてはあまり褒められたものではありませんが。