
匿名
最近、かんぴょう巻きがそれなりに地域ローカルな寿司なのを知って驚きました。甘く煮たネタは他にもあるし、別にかんぴょうの特産地だというわけでもないので、意外に思いました。イナダさんは「これが一部地域だけのローカル料理だったの?」と意外に思った料理はありますか?
僕の場合は自分が意外に思うというよりは、その土地の人がローカル料理とは気付いていないものを発見するほうがずっと多いです。 そのパターンでいくと、かつて名古屋の人たちがあんかけスパを名古屋ローカルだと思っていなかった件が最も衝撃的でした。 そもそもその頃は「あんかけスパ」という名称自体が普及しておらず、僕は勝手に「メイスパ」と名付け、それがたいへん貴重な食文化であることを地元の人々に知らしめようとしていました。 【大事なことを言います】 固有の名称が付くのが、ローカルフードがローカルフードとして認知される条件だと思います。 【大事なことを言いました】 広島の人がお好み焼きをローカルフードとして決して認めようとしないのは、このことに対する抵抗という形で現れています。 もう一度名古屋に話を戻すと、僕が勝手に「名古屋式汁無し担々麺」と呼んでいる料理は、ほとんどの名古屋人がローカル料理だとまだ気付いていないと思います。 実はこういった名も無きローカル料理、つまりローカル料理と認識されていないローカル料理がどこよりも多いのが東京及びその周辺ではないかと思っていて、僕はそれを「東京エスニック」と総称しています。 具体的には、「東京西京焼」「生姜キャベツ」「町中華の生姜焼き」「純白薬味葱」「東京の煮込み」などなど。 そもそも東京の人は東京が一ローカルであることにも気付いてないので、油断してるんだと思います。 干瓢巻きの件も、完全に油断していたケースですね。