
匿名
無水カレーは野菜の水分のみだから濃厚で美味い、みたいなストーリーが大げさに感じられてなんとなく嫌いです。 同じ材料で多少なり水を入れて水分飛ばしたほうが仕上がりも均一で安定するような気がします。 無水にこだわることに明確な過程の違いはあるのか、それとも私の穿った主観の問題でしょうか?
僕も個人的にはあまりメリットが無く逆にデメリットが大きくなりがちな調理法だとは思います。もちろんこれはあくまで傾向の話なので、中にはメリットを生かしてやられている方もいるとは思いますが、僕自身は(ホットクック以外では)この方法はとらないと思います。 相談者さんもご指摘の通り、欧風カレーは別として南アジア系のカレーは、水を適宜加え、最終的にその加えた水はほぼ全て蒸発する、というのが基本的な作り方であり、着地は似ていてもそちらの方が何かと利点が多いのではないでしょうか。 ただしこれは慣れの問題でもあるので、絶対に焦げない火加減と鍋と中身容量のバランスをひとたび確立すれば、むしろ仕上がりが安定するとも言えるかもれません。 そういった技術的な面は別としても、「無水カレー」というワードには、マーケティング的な強さがあると思います。これは言い換えると、ある種の人々にとってロマンのある言葉なのだろうということです。もちろん上記のようなカレーのオーソドックスなロジックを知っている相談者さんのような方は鼻白んでしまうかもしれませんが、それはごくごく一部ですし、そもそもその種の店のターゲットではありません。 無水カレーという言葉は、「サラサラしすぎてなくて濃厚な味わい」というイメージを容易に喚起します。どんな説明書きよりストレートにそれが伝わります。 また、ワンオペで複数種類のカレーを提供するような店で、店主が無水カレーの鍋を火にかけつつ隣のコンロで別のカレーを仕込む、みたいな情景も想起されます。いかにもクラフトマンシップ的でロマンがありますね。