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ポークカツレツにドミグラスソースをかけた、(エ)スカロップという料理が日本の多地域でそれぞれ独立して存在するようなのですが、ルーツについて何かご存知でしょうか。
ウィキペディア風にお届けします。 ・概要 スカロップ(又はエスカロップ)は、カツレツもしくは豚カツにデミグラスソースをかけた日本の古典的な洋食メニューである。 ・歴史 フランス語のescalopeは、肉(主に仔牛肉)を1センチほどの厚みにスライスしたもの、およびそれをソテーした料理を指す。 19世紀のエスコフィエの料理書では、それをパン粉焼きで仕立てたescalopeが複数紹介されており、おそらくこれが日本のスカロップの原型である。 この料理はおそらく東京か横浜のホテルのフレンチレストランのメニューとして取り入れられ〔要検証〕それがその後、街場の洋食店(西洋料理店・フランス料理店)でも受け継がれた。 名古屋のラク亭では20世紀初頭の創業時から「スカロップ」の名称で提供されていたという証言がある〔要検証〕。これは現在、仔牛肉ではなく豚肉で作られている。 この他にも豚肉のスカロップは、ヨーロッパ軒(福井)、洋食あきら(東京)、カロリー(福島)など全国の洋食店に偏在する。その多くは創業50年を超える老舗であり、近年になってに導入された例はほとんど無い。 グリルエフ(東京)では仔牛肉のエスカロップも提供されている。 ・根室のエスカロップ 根室ではエスカロップの名称でローカルグルメとして定着している。根室のエスカロップは、筍入りピラフと組み合わされた料理であり、肉の厚さも薄めである点でその他の地域のスカロップとは特徴を異にしている。 発症は1970年代とされており、スカロップとしては比較的新しいスタイルと言えるが、直接のルーツは不明である。ただしエスコフィエの時代には既にバターライスを付け合わせとしたescalopeが存在していた。また筍が用いられる点も、缶詰の筍が缶詰マッシュルームや缶詰グリーンピースと共に多用されていた古典的な洋食店のスタイルを踏襲しており、個人のアイデアのみで突然生まれた創作料理ではないと考えられる〔要検証〕。 ・カツレツ、豚カツとの関係性 カツレツのルーツはフランス料理のカトレットであるとされるが、本来のカトレットはウインナーシュニッツェルやミラノ風カツレツ同様、薄くたたき伸ばした肉にパン粉をまぶして焼く料理である。つまり日本のカツレツ/豚カツの実質的なルーツは、カトレットよりむしろエスコフィエスタイルのescalopeであるとも言える。 そのため日本におけるスカロップとカツレツの差異は、単にデミグラスソースなどのソースがかかっているかかかっていないかの差である。 ただしカツレツとスカロップの両方をメニューとして提供している店では、スカロップの方が肉が厚切りとなっているケースも多く、スカロップがカツレツ又は豚カツの上位メニュー的な扱いにもなっている。 近年になるに従って豚カツはその厚みを増している傾向があり、そうなるといよいよカツレツとスカロップの差違は小さくなっている。このことが、混乱を避ける意味で、近年のメニューに新規で採用されるケースが無いことに繋がっていると考えられる。 また、カツレツや豚カツに最初からデミグラスソースがかかっているものも、スカロップではなくあくまでカツレツという名称で提供されることもむしろ多い。