
匿名
¥200
出来上がったカレーが「苦みを含んでいる」ことが多々あります。原因はテンパリングしたマスタードシードによるものだと思っています。パチパチ音が最高潮の時に次の素材を入れるというルールに従っているつもりですが、苦みが出るということは、やはりテンパリングの技術の問題でしょうか?
まず、おそらくですが原因はマスタードシードではありません。あからさまに焦がす失敗でもしない限り、特に苦くはないからです。 ほとんどのスパイスは何らかの苦味を持っています。これはホールよりパウダーの方が味として感知しやすくなります。 中でもダントツで苦味が強いのがフェヌグリーク、次いでターメリックです。フェヌグリークはともかくターメリックはほぼ全てのカレーに入っていますので、その量にもよりますが、カレーは確実に何らかの苦味を持つことになります。そしてこの苦味が、マズ味の要素としてカレーの味に奥行きを与えるということになります。 ちなみに日本のカレーはターメリックがたっぷり、そしてフェヌグリークも結構な量が入っていますので、ミックススパイスとしては特に苦味の強いものになっています。 苦味を抑えたい場合は、こういった苦味の特に強いスパイスの量を減らす以外にも方法があります。 油脂と甘みは苦味をマスキングします。コーヒーと砂糖、ミルクの関係性と同じです。だからなのか、玉ねぎや油脂をたっぷり使う地方のレシピの方がターメリックの量が多い傾向があります。反対に南インド料理ではかなり少量に抑えられことが多い。 また、塩分やうま味、酸味も含めた全体の味が濃いほど、苦味は相対的に抑えられます。 ただし少なくともカレーにおける苦味は、消すよりも生かすイメージを持った方が良いのではないかと思います。