
kehakeha
¥1,000
妻とエリックサウスマサラダイナーで春のモダンインディアンコースをいただきました。想像の斜め上をいくクリエイティブな料理の数々に、狂喜、感嘆、堪能させていただきました。ただ59歳の身では、そのボリュームにも打ちのめされ、わんこカレーも一杯しか入らず、帰りは二人とも口もきけない状態。胃薬を買ってその場で飲み、家に帰って黙って寝てしまいました。なにか「負け」た気分です。実は来月もモダンインディアンコースを予約しており、リベンジ(わんこカレーを全種食べる)したいと考えております。 お聞きしたいのは、ボリュームのあるおいしいものを食べたいとき、何かよい作戦はないか、ということです。今のところ、事前に腹を空かす、ビールはやめとく、ロティのおかわりもやめとく、くらいしか対策が見つけられません。
モダンインディアンコースは、マサラダイナーの開店当初は総重量が1000gくらいありました。これはそれ以前に某所でこっそりやっていたインド料理イベントのコースを踏襲したためです。このイベントに来ていたのはほぼインド料理マニアとグルマン(大食漢)な人々に限られました。だからそれで丁度いいくらいだったのですが、幸いなことにマサラダイナーではもっとずっと広い層に楽しんでいただけることになり、徐々に減らして今は700gちょいくらいです。 これはイタリアンやフレンチのディナーコースでも標準的なポーションです。(ただしこれは実際は店ごとの差がめちゃくちゃ大きかったりもしますが)。 ちなみに、エリックサウス各店のミールスがデフォルトで700g、サンバル・ラッサム・ライスを一通りおかわりすると1000gくらいです。 で、僕としてわんこカレーはその重量に含めない前提で考えています。つまり「食べないのがデフォルト」ということです。1000g時代が丁度よかったと思う方のためのアフターフォローという意味合いもあって始めました。 ロティが袋に入っているのは、乾燥を避けるのが主な理由ですが、そのままお持ち帰りしやすいようにという意図もあります。 ただし実際はほとんどの方がロティを召し上がりますし、さらにロティをおかわりしてわんこカレーもコンプする方も決して珍しくありません。その場合総量は1000gどころではないです。凄いですよね! なのでモダンインディアンコースだけに限った話をするならば、少食の方はロティとカレーは食べない前提で、というのがベストだと思います。 というのも、それらはマサラダイナーに限らずエリックサウス各店でいつでも食べられるのでものだからです。なので無理はなさらず、せっかくなので今ここでしか食べられない季節のコースに集中するというのをおすすめします。 本当はわんこカレーにも毎季スペシャルなものを一種類くらい加えたいといつも思うのですが、それをすると「さあ食べて!」と無理強いしてしまうことにもなりかねないので、ぐっと堪えています。 一般論として自分の許容範囲を超えるボリュームのものに対峙するにはどうすれば? というご相談にはお答えできていませんが、これは正直なかなか難しいですね。 事前にお店に相談して減らしてもらうという手もありますが、例えば当店であれば、各皿が既に料理として成立するわりとギリギリまで減らしているので、減らせても実際はトータルでせいぜい数十g単位だったりします。こういう店は多いと思います。 そういう意味では僕は個人的に残すのはアリかナシかで言えばアリだと考えています。もちろんフードロスの問題もある昨今それを全肯定するのもいかがなものかとは思うのですが、フードロスの大半って、そういう個人レベルの食べきれる食べきれないの場面で起こっているわけでもなく、それは誤差の範囲なのではないかという考えです。少なくとも健康や体調を犠牲にしてまで無理をするのは本末転倒な気はします。 先日、面白い例を目にしました。あるお寿司屋さんで「シャリ少なめ」を申告したら、その減らした分と思われるシャリが、シャリ玉おむすびとして添えられていたのです。 考えようによってはそれはフードロス問題に対する反逆とも取れますが、やっぱりそれはとてもチャーミングで親切な良いサービスだと僕は感じました。 ただもし残される場合は、これはどんなお店においてもそうですが、「おいしかったけどこうこう言う理由で」というのは説明してあげて欲しいとも思います。でないと中の人は「何がいけなかったんだろう」と、数日にわたって滅茶苦茶悩み始めてしまいます。 一部を持ち帰りにしてもらうのももちろんアリだと思います。インド料理やガチ中華ではもはやデフォルトですが、僕はフレンチでもメインの羊のローストを半分以上持ち帰りにしてもらったこともあります。(その店は原理主義的フレンチの店で、いつもとんでもないボリュームです。) もちろんこれも(食中毒の問題も絡んでくるので)あくまでお店とご相談の上で。