
匿名
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信州で生まれ育ち、大学から今日までの二十数年はずっと東京在住なためか、薄口醤油をうまく使いこなせている自信がありません。色をつけたくない時、コクよりも塩味を効かせたい時などに、なんとなく使うようにしていますが、もっと効果的且つ手応えをもって使いこなせていると言えるような使い方があれば、是非ともご指南頂けましたら幸いです。
相談者さんの感覚としては、 「濃口醤油がデフォルト、でも時には薄口も使いたい」 ということになるんでしょうが、例えば僕の場合は逆なんですね。 「薄口醤油がデフォルト、でも特殊な用途では濃口も使う」 鍋つゆ、うどんつゆ、野菜メインの煮物、炊き込みごはん、おひたし、おでん、などは全て薄口醤油です。 濃口醤油は、蕎麦、すき焼き、各種焼き物、タレ類、刺身・寿司、など特定の料理に使う調味料。 こうやって並べると(一部例外もありますが)、薄口醤油は「ダシとワンセット」ということが言えるかと思います。 なのでこの質問に対する答えとしては、 「ダシを生かしたい料理に積極的に使ってみて下さい」 で、いったんFAです。 実際に、薄口醤油が頻繁に使われるのは、先ずは「ダシ文化」と言われることの多い関西圏、そして(全国の)割烹などの日本料理店です。日本料理というのも何から何までダシを使いまくる料理体系ですから、これは必然的にそうなるのでしょう。 ダシは確かに日本全国津々浦々で使われますが、その位置付けというか依存度というか重要度というか、そういうものは、関西ローカル&日本料理の世界ではやはり他と明らかに違うと感じます。 薄口醤油は「塩+濃口醤油」でも代用できると言えばできるのですが、ダシの味付けとしてはやはり微妙に違う結果になります。こうなるともう、どっちが優れているとかではなく単なる好みだとは思うのですが、単純に薄口醤油だと分量を簡単に決めやすいというアドバンテージもありますね。 例えば鍋つゆやうどんつゆだったらダシの5%、煮物だったらダシ・薄口醤油・みりんが12:1:1、みたいな感じで、塩で調整しなくてもそれだけで味を決められる、みたいなことです。逆に塩主体で味を決める吸い物なんかでは、薄口醤油なら隠し味的に使えるけど濃口醤油だと少量でも「醤油味」になってしまう、みたいな。 相談者さんもせっかく興味を持たれたところなので、しばらくは毎日おいしいダシを引いて、あえて薄口醤油をデフォルトに据えてみる、という「割烹ごっこ」みたいなことを楽しんでみたら、その必然性に開眼するかもしれませんよ!