匿名
生肉を触った後の手洗いについて。料理動画で「肉を触った手で次の手順?!」と思うことが多々あります。先日行ったとんかつ屋でも、生肉をパン粉につけた手で菜箸を持って、切って、提供していました。自分は少しでも触れたものは即洗いますが、実際どの程度気を付けるべきでしょうか。また、肉と魚で事情は変わりますか?
こんな実験の話を聞いたことがあります。 普段から料理をしている人たちを集めて、鶏肉の料理とサラダを作ってもらったら、ほとんどの被験者が、サラダに何らかの鶏肉からの汚染が検出された、と。飛沫が飛んだり、汚染されたままの手や調理器具がふれてしまった、とかでしょうね。 この実験、「だからよほど気をつけないといけませんよ」ということを示唆しているのでしょうが、僕は「これは逆に取ってしまう人も多いのでは?」と思いました。 つまり、「この人たちはこれまで大丈夫だったんだろうから、多少汚染されたくらいではそうそう食中毒なんて起こらないってことだな」という解釈です。 とんかつ屋さんに関して言えば、基本的には肉は直接触らないオペレーションが多いとは思います。つまり、肉は串などに引っ掛けてバッター液を潜らせそのままパン粉のバットに移し、パン粉をつけるときも直には手が触れないようにパン粉越しに抑える。 しかしこれは必ずしも手が汚染されていないことを意味しません。なぜならパン粉そのものが汚染される可能性をゼロにできないからです。 プロは(プロだけではないですが)、手にナマ物が触れたら、肉でも魚でも等しく、その手を洗うまではそれと同種のナマ物以外のものには絶対に触れないような「習性」が仕上がっている物だと思います。技術というよりはむしろ「ケガレの思想」に近い気がしますし、もちろんそれでいい。 ただ先ほどのパン粉付けのように、ケガレの感覚が発動するラインには微妙に個人差があるということでしょう。 「どの程度」には絶対の正解は無いのかもしれませんが、少しでも疑いがあれば安全寄り、というのは鉄則でしょうね。