
匿名
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カレーは最初のあめ色タマネギがキモとよく言われますが、ビリヤニの場合、揚げタマネギとなっているのはなぜでしょう。またあめ色タマネギは絶体焦がしてはいけないのに、揚げタマネギはレシピ本等を見るとほぼ焦げてるに等しいぐらい黒くなってます。矛盾してるように思うのですが違いは何でしょうか。
先に細かいことですがカレーにフライドオニオンを使うこともあるし、ビリヤニを炒め玉ねぎで作ることもあります。いずれの場合も当然ながら、最終的にどういう味を目指すか、言い換えれば玉ねぎにどんな役割を求めるかで決まります。 あと前提としてフライドオニオンは油がたくさんいるし単純に一工程増えるため「贅沢な手法」であり、少し特別なカレーや、元来特別な料理であるビリヤニに使われる手法とも言えます。また、家庭よりはお店向きとも言えるでしょう。 フライドオニオンは真っ黒に見えますが、実は加熱終了直後は黒というより茶色に留めなければなりません。その後余熱を持ったまま空気に触れることで、あっという間に黒くなるのです。なので見た目ほど苦くはないのが良いフライドオニオン。 インドカレーではあまり「アメ色玉ねぎ」は使いません。一見アメ色玉ねぎに見えるそれは、中〜強火で比較的短時間、色がつくまで焼き付けたものです。(例外もあり) 長くなりましたがここまでが前提です。 さて本題の、各調理法で玉ねぎに求めるものは何か、の話です。 カレーの中で玉ねぎはいろいろな役割を果たしていますが、その中に「甘み」と「テクスチャー」があります。玉ねぎはカレー全体に、甘みと、とろりとしたテクスチャーを与えます。そのために普通はわざわざ揚げる必要はないので、ほとんどの場合それは「炒め玉ねぎ」として使われます。 フライドオニオンは炒め玉ねぎよりも玉ねぎの性質が大きく変化し、より強い風味を持ちます。言い方を変えると、甘みやテクスチャーを一部犠牲にして風味に全振り、とも言えます。 この場合の風味とは(言葉で説明するのはなかなか難しいのですが)ひとことで言えば「コク」です。砂糖がカラメルに変わるようなものと言ってもいいかもしれません。 ビリヤニには基本的に甘みやとろりとしたテクスチャーは不要です。甘味はともかくテクスチャーはむしろ邪魔。 なおかつ、手間がかかることは承知の上の料理なので、一工程くらい増えても相対的なめんどくささはそう変わらない。オペレーションにそれが組み込まれた店の厨房ならなおさらです。 さらに、フライドオニオンの強い風味は、カレーだと時にそれが重すぎる場合もありますが、ビリヤニとの相性は文句無しに良い。 これが、ビリヤニでフライドオニオンが使われがちな理由だと思います。