
匿名
「お酒の美味しさがわからない」とご相談されていた方に強く共感する者です。イナダさんの回答を拝読し「酒のまず味と改めてもう一度向き合ってみる」ことに興味が湧いたのですが、どのような手順で向き合っていくのが良いと思われますか?いかんせんお酒リテラシーが低いもので、アドバイスを頂けたら嬉しいです。
前回の結論としては、 「食事がメインでそこに酒を合わせる場合も、酒ばかりを延々と飲み続ける場合も、酒の中に潜む適度なマズ味が有効に機能する」 というものでした。 つまりここで大事なのは、「ゆっくり」「延々と」という部分なのではないかと思います。 気持ちと時間の余裕を作って、長丁場で楽しむ。まずはここが出発点というか大前提になると思います。 フルーツ系酎ハイ(ストゼロ類除く)やカルピスサワーなど、マズ味が少なくしかもそれが中和されているものは、客観的にとてもおいしい飲み物ですが、延々飲み続けられるわけではないし、味のリセット効果も薄い。 なのでこの場合にはあまり向かないわけですが、逆にそのことを利用するのもアリなのではとも思います。 つまり一杯目はそういうものにして、 「あー、おいしいけどもう要らんわ……」 となったタイミングで、別のもの、ビールなりワインなり日本酒なりに切り替える。 これをするとかえってマズ味のおいしさに気付きやすいかもしれません。 カルピス酎ハイは基本的に食事に合いませんが、例えばフライドチキンとかシャウエッセンとかそういうヤンチャな味との相性なら決して悪くないような気もします。 しかし冷や奴やお浸しだとそうもいかないので酒の方を切り替える。 そんな組み立ての献立も楽しそうな気がします。 さて、マズ味を楽しむ方のお酒の選び方ですが、一般論で言えば「飲みやすい」とされるものがいいでしょう。ビールならスーパードライとかです。酒飲みが推すタイプの酒は最初は少し用心が必要かもしれません。 しかしこれ、世間では例外も多々あるようで、 「ビール飲めなかったけどクラフトビールでおいしさがわかった」 みたいなこともまたよくあるようなので、こればかりは個人差も大きそうですね。日本酒だとさらにこういう話をよく聞きます。 何にせよ、酒とズブズブになる前に、休肝日の習慣を作ってください。僕は既に無理っぽいので後を託します。