
匿名
薬味と具材の違いってなんでしょうか? 友人が「複数の食材が口の中で混ざる」ということが嫌いなのですが、薬味を添えるのは好きだと言います。(ex.唐揚げに大根おろし、ラーメンに葱) 具材とも薬味とも見做される食材もあると思うのですが、その違いをイナダさんはどうお考えでしょうか。ぜひ教えて頂きたいです。
おいしさ=純粋美味+マズ味 という公式を提唱しているのですが、薬味とはそこにおける「マズ味」の比率が高い食材といえます。 ちなみにスパイスは更に比率が高く「高濃度なマズ味の塊」とも言えるでしょう。 料理とは複数の食材を組み合わせつつ、さまざまな手法で、純粋美味の絶対値を高めたりマズ味を別のマズ味に置き換えたりして人工的にバランスを整える営みであると考えています。 さてご友人の価値観をこれに即して翻訳すると、 「複数の純粋美味が重なり合うことは好まないが、適切なマズ味が加わることはその限りではない」 ということになり、(一般的な価値観とは少し異なるとは言え)これ自体は全く矛盾なく成立していると思います。 薬味と野菜の中間的な食材って確かにありますね。クレソンとかセルバチコとか、あるいは大根おろしやネギも意外とボーダーだと思います。 逆にそのご友人がどのあたりに線を引いているのかに興味もわきました。