匿名
流通や製造工程を助けている食品添加物や化学調味料の重要性はよく理解しているつもりなのですが、最近自炊ばかりしていたせいか、インスタント食品を食べると味の濃さというか舌に残る感じ(これが所謂ケミカル感?)が辛くなってきました。この矛盾にどう対応すればいいでしょうか。
「大量生産品に添加物が使われる」 というのと、 「大量生産品は独特の濃い味である」 というのは、独立した別の話だと思います。むしろ擬似相関に近いのではないでしょうか。 外国、特にヨーロッパのインスタント食品は、素っ気ない味をそのまま出しているものもよくあります。それをおいしいと感じるかどうかは人それぞれだと思いますが、「必要最小限のものを提供するから、不満があるなら後は自分でなんとかしろ」みたいな感覚が共有されているのかなと思います。 日本では、メーカーは全責任を負って満足度の最大化を目指し徹底的に作り込む、というスタンスが前提になっているのではないでしょうか。しかも現代日本人の中心的な嗜好に合わせてそれを行うと、うま味・甘味・コク・複雑さみたいな部分をひたすら追うことになり、しかもそこに厳しいコストの制約があるから、そこでインスタント品ならではの特長みたいなものが(製品ジャンルごとに)生まれるのでしょう。 だからジャンルによって(例えばフリーズドライ味噌汁とか)は、そういう違和感はさほど感じないはずです。技術的にはそういう傾向のカップラーメンだって作れるんじゃないかと思いますが、それを求める人は少ないということでしょう。ノンフライの袋麺だと少しそっち寄りのものもある印象ですが。 なので相談者さんが「矛盾」と言っているものは、実は矛盾でもなんでもなくて、単にご自身がメーカーの想定するターゲットから大きく外れている、つまり周縁の民であるというだけのことなのです。また、自炊によってその周縁化はより進んでしまったのでしょう。 アンラッキーと言えばアンラッキーですが、それほど悲観するようなことでもない、と僕は思います。好みに合う製品は、中小メーカーとか外国製とかも含めれば探せば出てくる可能性はあるでしょうし、メジャー流通品を魔改造する方法もあります。 まあそうなると結局自炊が一番手っ取り早いという話にもなりそうですが、それならそれでもいいではないですか。