匿名
最近のラーメン本当に塩っぱくないですか?食べるたびに塩水を飲んでる気がして途中で諦めます。 どんどん塩っぱくなるのに何か原因があるんですかね… 最近は外食でラーメンを選択するのは勇気が要ります。
ひとつ思い出したことがありました。 かつて僕は「90年代に一世を風靡し、現在でも幸運にもそのままの形で存続しているラーメン」というものにいたく興味をひかれ、そういう店を調べて集中的に食べ回ったことがあります。 僕は時折おかしなマイブームが起こるのですが、この時のそれはトップクラスに妙だったと思います。それはさておき……。 その時にどの店でも感じたのは「おとなしさ」でした。 90年代当時の資料を読むと、それらの店に関する記述はやたらハイテンションです。「コッテリ」「強烈」「ボリューム」「脂」「ニンニク」などの文字がやたら目につく。 でも実際それを食べるとずいぶんおとなしいんです。「豚骨醤油」に分類されるラーメンが多かったと思いますが、獣臭などとは無縁で(そうでない店も一部にありましたが)、麺はごくオーソドックスな中華そば的な、あるいは札幌ラーメン的なちぢれ麺。基本柔らかめ。背脂らしきものがちらほら浮いている店もありましたが、特に脂が強いわけでもなく、当然味はむしろ「あっさり」していました。ワカメやカイワレなんて乗っちゃってたりもして、むしろヘルシーなラーメンだなこれは、という印象を受けました。ボリュームは確かにありました。器もデカけりゃ麺もスープも「え?」となるくらい多い。 その味が、当時メディアも含め東京の人々に強烈なインパクトを与えた味をそのまま今に伝えているのか、それとも店もファンも老成していく中でラーメンそのものも「落ち着いて」いったのか、それはその時点しか知らない僕にはわかりません。 ただ、そこからたかだか30年かそこらで、ラーメンという食べ物、その中心軸みたいなものは大きく変化したのだということは確実なんじゃないかと思います。 90年代生き残りラーメン店は、正直、店内もパッとしない店が多かったように思います。垢抜けない、かと言って老舗的な風格があるでもない、殺風景な中で啜るボンヤリしたラーメンに僕は「つわものどもが夢の後」とでも言いたくなるような情緒を感じ、そこに当時ハマっていたんだと思います。 もっと短い期間の話で「最近」しょっぱくなっていっているのかどうかは、僕にはよくわかりません。ただ、多様化は進んでいますね。あとひとつ感じるのは「化調感」みたいなものが薄まっているように感じます。元のスープの要素やインパクトが強まっている分それがマスキングされているのか、実際に減らされているのかはわかりませんが、単純にそれは料理としての進化と感じます。 ただ実際にうま味調味料を減らしているのであれば、必然、塩味のストライクゾーンは狭くなりますね。万人に「ちょうどいい」と感じさせるのは困難になる。そうなった時に、ラーメンの使命として(ないしは他店との競合において)「物足りなさ」を感じさせたら負け、ということを前提とすれば、そのストライクゾーンは高め高めを攻めておくほうが安心、みたいなことは容易に起こり得るのかもしれません。 実際僕が「しょっぱい店」としてすぐに思い浮かんだ店は全て無化調推しの店でした。個人的にはそういうのはむしろ好きなんですけどね。