匿名
「料理は計量して作りましょう」日本代表のイナダさんと「料理は味見をしながら目分量で作りましょう」日本代表のタサン志麻さんが共演していて驚きました!志麻さんってどんな方でしたか?ちなみに志麻さんも夕食を作る時まずお湯を沸かすそうです!
タサン志麻さんは、とても控えめでエレガントな方でした。谷シェフが我々やスタッフに対して、志麻さんがいかに素晴らしいかを語り、(半ばネタのような感じですが)終始お姫様のように遇されていたのがとても印象的でした。 僕は料理人としてのスタートが遅かったので、周りにいた年下のヤンキーの先輩たちが既に数年の修行の賜物として目分量でバシっとアタリをキメるのを見て焦りました。最短で追いつくための方法が「こっそり計る」だったのです。 またそれは後に、インド料理をゼロから始める時にも、極めて有効な方法でした。 家庭料理においては、親からの有形無形の技術継承がある場合、「味を見て」「適量」「程よく」「少々」といった指示が有効だと思います。言うなれば暗黙知の世界です。 しかしインド料理のレシピ本を作った時は、基本的に誰もが素養ゼロかつ正解を知らないところからのスタートが前提でした。そこでは精緻な計量が必須でした。 そして実は、既に慣れ親しんでいるはずのもっと普通の和食などでも、暗黙知を前提にすると脱落してしまう人が多いということにも気付きました。 家庭内での技術継承が薄れている時代に、しかも世間の主流(サイテキカイ)とは異なる方向性を提示するとなれば、やはり計量からスタートして最終的に目分量に至る、というのが良いのではないかと僕は思っています。