匿名
某webジャーナルで松屋のビーフカレーが値段や見た目の観点(値段が290円→680円になり、肉は見えず黄色い油脂が浮いている等)でこき下ろされていました。イナダさんの見解を伺いたいです。
あまり好きな記事じゃなかったですね。 タイトルの「290円→680円」があからさまにミスリードなのは編集あるあるとして目をつぶるにしても、記事内容が個人の感想以上でも以下でもないのでは、と。 それどころか「レンチンでの加熱が足らないと油が浮く」といったあからさまに間違ったことが書いてあったり、あれだけ肉がしっかり入ったカレーに対して「ビーフカレーと言う割に肉が見当たらない」など、貶すことを前提に無理やり、有りもしない粗を探してるようにも感じました。 何より、今、値上げ幅10%どころか20%でもおっつかない飲食店がほとんどであろう中で、値上げについて論考するのはとてもデリケートな話題なはずですが、そこに対しても無神経なまでに雑。 牛丼を据え置いた皺寄せがカレーに、というのは事象だけ見ればそうかもしれませんが、トータルで確保せねばならない総値上げ幅に対して、商品ごとにメリハリを付けるのはむしろ当たり前であり、それを悪し様にピックアップするのは悪意としか思えません。少なくとも専門家のやることではない。百歩譲ってただの個人の感想にしても、あまりに愛が無い。愛が。 さて僕はあの松屋の新カレー、好きです。 元々「創業ビーフカレー」こそが松屋カレーの最高傑作と感じていたので、今回のはそのパワーアップ版と受け止めました。少なくとも、680円が高いとはどうしても思えません。 肉が大幅に増量され、それに合わせるようにオイリーさも増し、まるでパキスタン料理のようです。あれだけ思い切れるのは、松屋が松屋のカレーファンを信頼しているからこそ、と嬉しくなっちゃいました。 あくまで個人的な感覚ですが、欠点が無いわけではありません。全体のボディが分厚くなったのに伴い、体感的なアタリもかなり強い。もちろん味のバランスとしては正解なのでしょうが、確実に米が足りなくなります。僕が食べた時は、カレーを1/3くらい消費したところで米が残りわずかとなり、ライスマネージメントにずいぶん苦慮しました。もしもう少し僕が若ければ、単品大盛りライスを追加してちょうど良かったのではないかと思います。 しかしこの点は単なるnot for meです。そもそも松屋は「ライス大」をデフォルトに商品開発が行われているという珍説をかつて唱えたことがありますが、今回のカレーもそれを裏付けるかのようです。(ちょっとイキスギ感を感じなくもなかったですが。。) 良くも悪くも世の中は、ライスが足らないくらいにカレーが潤沢なバランスが好まれるようになってきており、そのニーズにしっかり合わせに来ているという見方も可能です。 何にせよ、次は充分お腹を空かせて、ライス単品追加までは行かないにせよ、ライス大盛りで絶対にもう一回食べたいと思うくらいにはおいしかったです。ビールもあった方が良さそうですね。