ネパール人の就労者も留学生も増えてコミュニティが形成されたから、そこをターゲットにする店ができ始めたのがまずは始まりですかね。 それと並行して、普通のインドネパール店でも、ネパール人客にはメニューには載せていないダルバート的なものを出す流れもあったようです。ただしこちらは、普段の商品から転用した代用ダルバート的なものであることも多いようで、先日あるインドネパール店経営者さんから伺った話だと、その店では普段カレーとして出しているダールを水で少し薄めたものをダルバートには使っていると言ってました。 　 そのうち、最初に書いたようなガチのネパール料理を日本人のマニアたちが「発見」し始めて、ごく狭い界隈での話ではあるものの、それは一種のブームになりました。ガチネパール店の増加は、在日ネパール人が増えたことだけでなく、日本人のマニアを引き寄せることに成功したからという要因もありそうな気がします。 　 そうなると、一般のインドネパール店も、裏メニューだった代用ダルバートなどを表メニューにしたわけです。「ネパールセット」の誕生です。中には、ある程度それが売れ筋になることを見込んで、代用ではないガチなものを出すようになった店もあり、そういう店ではカジャセットなども提供可能になるわけです。 　 ガチネパール店はそのごく初期の店から、料理のクオリティもメニューの完成度も極めて高いものでした。ある意味奇跡的になまでに、業態が「仕上がって」いたんですね。僕はある時、比較的新しいガチネパール店の方が「伝説は全てあそこから始まったんだ」と語る話を聞いて、やはり彼ら自身もそう思っていたんだなと感動したことがあります。 そういう優れたお手本が最初からあったことも、今の隆盛に繋がっているのではないでしょうか。