匿名
最近のり弁作りに凝っています。そこで質問なのですが最適解などではない、極稲田さん的のり弁ベスト構成を知りたいです。
東海林さだおさんの丸かじりシリーズで出てきたのり弁が忘れられません。 弁当箱に半分の高さまでご飯を敷き詰め、おかかを振り撒いて醤油、海苔を敷き詰めてまた醤油、それをもう一度繰り返して完成、というものです。 いや、正確にはそれで完成ではなく、しばらく寝かせることが必須。東海林さんは仕事の合間にそれを食べるんですね。 僕が知っているのり弁は、白身フライとちくわ天が乗ったアレだけでした。なんであの揚げ物メインの弁当の名称が「のり弁」なのか、というのがずっと疑問だったんですが、なるほどこういう「原初ののり弁」的なものが存在したのかと、ようやく腑に落ちました。 最近はのり弁ブームと言ってもいい状況です。僕は最近ののり弁には、さまざまな人々のさまざまな思惑が渦巻いていそうで、想像し始めるとパニックになりそうなので、あまり近づかないことにしています。 「これは単なるブームではなく、伝統的な日本の食に根を張った、地に足のついたムーブメントなのである」 みたいな顔をしてすましているのが、なんか余計に心をざわつかせます。そもそもだな、お前のそれはのり弁じゃなくてシャケ弁だろう、と。伝統を大事にするなら白身フライとちくわ天だろう、と。何事もなかったように鮭にすり替えてるんじゃありませんよまったく。 そんなわけで僕はやはりのり弁には魚フライは欠かせません。これ、最近のマーケティング的にはたぶんアジフライにするのが正解です。しかし最近のアジフライ界隈のギラギラした思惑ともまた距離を置きたいし、だからあくまで白身フライです。 ただし、普通ののり弁によくのっているホキの笹型フライではなく、もう少しランクは上げておきたい。フィレオフィッシュレベルまでランクが上がればかなり嬉しいですけど、できればもう一声、ってところです。 最近のビジネスのり弁界隈も、シャケではなく白身フライの品質で勝負をかけてほしいと心から思います。1600円くらいで販売するキアイの入った白身フライなら、思わず買っちゃうと思います。シャケ1600円は当たり前過ぎます。 チクワはランクアップしないでほしいです。デンプンの多い最安ちくわが油を吸い込んで張り切ってるのがいいんです。あれが高級蒲鉾的なキリッとした食感になってしまっては本末転倒だと思います。 そこまであれば、後はその両者の油がべっとりとのりに染み出していれば、僕はそれでOKです。もちろん、海苔の質、おかかの下拵え、どんな漬物を添えるか、などなど細部にこだわればキリがありませんが、それを語り始めると途端に胡散臭さが漂います。のり弁のロマンはそういうことじゃない。 ロマンとしては結局、最初のショージ式のり弁に勝るものはありません。のり弁界隈の人々があれをデパ地下で1300円で売ることができたら、その時こそ本当にアッパレだと思います。少なくとも僕は買います、それ。