
匿名
人類が一つになり、本気になればすでにタイムマシンや宇宙旅行が可能になっているといいますが、どう思いますか?
どの程度か、にもよると思うねぇ。まず、タイムマシンというのは (少なくとも現状の物理学では) 無理っぽいので、宇宙旅行という点に焦点を当ててみよう。 その大きな実例はアポロ計画。1961年に当時のケネディ大統領が「10年以内に人類を月に立たせる」と議会で演説したのは有名だけど、その時点でアメリカができていたのはマーキュリー・レッドストーン3号でアラン・シェパードを最高高度188kmに到達させる弾道軌道を達成しただけ。メチャクチャ遠いよね。ところがアメリカは13兆円という巨額を投資し、1969年に有人月面着陸を成功させたんだよね。 残念ながら、アポロ計画の状況は「人類が一つになり、本気になれば」なんて状況とは真逆。ソ連との宇宙開発競争で「初の人工衛星打ち上げ」も「初の宇宙飛行士」も先を越された焦りからあったんだよね。しかも、宇宙開発はミサイルを正確に着弾させるなどの軍事技術開発とも密接という側面は切り離せないよ。ただ、アメリカ1国が巨額を投じれば、10年で "やっとハイハイできた赤ちゃん" から "一流アスリート" にまで成長させることは確かに可能なんだよね。 そんなわけなので、「人類が一つになり、本気になれば」、現状よりずっともっと宇宙旅行は身近になっていた、なんて可能性はもちろん全然あるよ。ただし、もう1つの側面は外せないかな。宇宙開発競争が軍事面と切り離せないのはさっき言った通りだけど、何しろあの時には技術的なアレコレが全く未完成な状態から始めていたから、宇宙飛行士は任務に命もかける軍人で構成されていたし、実際に死亡事故も起きているんだよね。もちろん、宇宙飛行士以外のバックアップ人員にも死傷者はいるよ。ということで、宇宙旅行が一般化するとしても、こういう命の犠牲も払えるのか、という次第なところはあると思うのよね。