匿名
潜水艦の爆縮の現象でものすごい熱が加わるなんてあるんですか?簡単に考えると、確かに圧力で潰れてPV=nRTの式から温度は大きくなりそうだけど…人体が黒焦げになるなんてありえます?
この都市伝説はスゴく話題になったけど、私は「あり得ない」と断じれると思うよ。具体的な計算はしてないから、ざっくり思考した感じでは、だけどね。 話を簡単にするために、深海の爆縮では全て均等に潰れるとしようね。後に述べるように、これはおよそあり得ないよ。 爆縮は文字通り一瞬で起こるので、中の空気が断熱圧縮で高温になる、と考えること自体は妥当に思えるね。ただ、空気は空気。全体が保持する熱の総量はとても小さいよ。 一方で人体が炭化するには、細胞に含まれる水分を抜き出し、タンパク質などを構成する有機物を分解しないといけないよ。水の蒸発が極めて熱量を持っていくことを考えれば、その時点でまずあり得ないと思えるよ。しかも、爆縮した狭い空間に水分や揮発性物質を逃さないといけない、これも難しいね。熱伝導の時間も問題だよ。断熱圧縮で加熱された空気は、次の瞬間には深海の冷たい水に熱を奪われるからね。そして、この都市伝説のきっかけとなった事故では、炭化しなければならない人体は5人分。爆縮で人体組織そのものも断熱圧縮するにせよ、とてもまかないきれないと思うよ。 そして、高い圧力で潜水艦の耐圧殻が壊れるには、それに欠陥があるにせよないにせよ、最も力のかかる1点から先に壊れるよ。てことは、そもそもとして断熱圧縮が生じる理想的な状況からは程遠い壊れ方をする可能性が高いはずだよ。 最後にダメ出しをすれば、1気圧から400気圧にするくらいで人体が炭化するほどの熱量が発生するなら、熱を使ってあれこれしてる化学工業はエネルギーコストが下がるので、ずいぶん助かると思うよ。